難民の申請と、手続き中のくらし
3分でわかる難民の申請と手続き中のくらしを、5つのステップで
数は出入国在留管理庁の2025年の発表、決まりは2026年10月時点です。
認められる・できる手続き中・条件による制限・注意
STEP1
STEP 1 難民の申請って何?
国に帰ると迫害を受けるおそれがあることを、国(法務大臣)に認めてもらうための手続きです。
2025年に難民認定を申請した人11,298人
→審査面接などで、2つを同時に調べる
難民に当たる?補完的保護対象者に当たる?
→ - 難民
- 人種・宗教・国籍・特定の社会的集団・政治的意見の5つの理由で、迫害を受けるおそれがある人
- 補完的保護対象者
- 5つの理由には当たらないが、同じように迫害のおそれがある人(紛争から逃れてきた人など。2023年12月から)
ここがポイント申請しただけでは、難民として認定されたことにはなりません。
STEP2
STEP 2 申請中、日本にいられる?
日本にいられるかは、申請したときに在留資格があるかと、その後の条件で決まります。
難民の認定を申請
在留資格がある2025年 10,600人(93.8%)
↓条件によって
「特定活動」への変更が認められるB・C案件などは認められない(STEP 3)
在留資格がない2025年 698人(6.2%)
↓条件によって
「仮滞在」などが適用される- 仮滞在手続きの間、日本にいることを一時的に認める
- 仮放免収容を一時的にとく(健康上・人道上の理由など)
- 監理措置収容せず、監理人のもとで暮らす(2024年6月から)
!申請しただけでは、在留資格は自動的には与えられません
送還- 原則
- 手続き中は、国外への送還が止まる
- 例外
- 2024年6月から、3回目以降の申請者(「相当の理由がある資料」を出した人を除く)・3年以上の実刑を受けた人・テロリストなどは、手続き中でも送還されることがある
ここがポイントどちらの道も、認められるかどうかは審査や条件しだいです。
STEP3
STEP 3 仕事はできる?
働けるかは、振り分け(A〜D)で大きく変わります。
この図は在留資格がある人が、難民申請者用の「特定活動」に変えるときの扱いです(2018年1月から)。
- A○働ける「特定活動(6か月・就労可)」が許可されれば初めて・2回目以降とも難民の可能性が高い、または本国の情勢などで人道上の配慮が要りそうな申請
- B×原則、特定活動への変更不可初めての申請難民条約の迫害に明らかに当たらない事情を主張している申請
- C×原則、特定活動への変更不可2回目以降の申請正当な理由なく、前と同じ主張をくり返している申請
- D1×働けない「特定活動(3か月・就労不可)」初めての申請本来の活動(技能実習・留学など)をやめた後や、出国の準備中に申請
- D2△最初の6か月は働けないその後は、更新で「就労可」が許可されれば働ける初めての申請A〜C・D1 以外(観光などの「短期滞在」から申請した人もここ)
申請〜6か月働けない「特定活動(3か月)」を2回→6か月を過ぎたあと更新で「就労可」が許可されれば働ける「特定活動(6か月・就労可)」
- 2回目以降の申請C案件でなくても、原則として変更不可(A案件に当たる人を除く)
- 申請前からの在留資格のままの間その在留資格で認められた範囲で働ける(この図とは別)
- 在留資格がない人仮滞在・仮放免・監理措置は、原則として働けない
- 技能実習の途中で申請2026年7月27日から、特定活動への変更の条件を見直し(詳しい説明)
ここがポイント6か月たてば自動的に働けるわけではなく、在留期間の更新などで「就労可」が許可される必要があります。
STEP4
STEP 4 生活費や医療費はどうなる?
生活の支えは、制度ごとに対象や決まり方が違います。
- ① 国の保護費困窮状況などを審査して支給を判断生活費・住居費・医療費など
- ② 健康保険在留資格や在留期間などで加入条件が異なる国民健康保険は、住民票のある人のうち、会社の健康保険などに入っていない人が入る(生活保護を受けている世帯などは除く)。仮放免・監理措置の人は入れない
- ③ 生活保護国の保護費とは別制度。対象者には条件がある仮放免の人は対象外。手続き中の人が対象かは、国の資料に書かれていない
- ④ 子どもの学校公立小中学校で教育を受けられる希望すれば無償。在留カードがなくても受け入れるよう、国が求めている
項目① 国の保護費≠③ 生活保護
だれのため生活にとても困っている、難民の申請者日本国民(外国人は、永住者・定住者・認定された難民など)
制度のもと国の会議の決定(2004年)。担当は出入国在留管理庁生活保護法(外国人には、行政の措置として準用)
税金・保険料国籍ではなく、住所・収入・入っている制度で決まります。
ここがポイント「国の保護費」と「生活保護」は別の制度で、片方を受けられても、もう片方を受けられるとは限りません。
STEP5
STEP 5 結果が出たらどうなる?
結果によって、在留資格やその後の手続きが変わります。
- ① 難民と認定187人原則「定住者」。難民旅行証明書がもらえる
- ② 補完的保護対象者と認定474人原則「定住者」
- ③ 人道的な配慮で在留を認める525人「定住者」か「特定活動」
- ④ 認められなかった在留資格の有無で
その後が変わる審査請求(7日以内)や裁判ができる。在留資格がなければ、退去強制などの手続きに
①〜③の合計(2025年)1,186人
2025年の一次審査の平均は約22.5か月
割り算しないで申請者(11,298人)と①〜③(1,186人)は同じ人の集まりではないので、割って「認定率」にはできません。
ここがポイント①〜③の人数には、審査請求(不服の申し立て)のあとで認められた人もふくみます。
3分でわかるまとめ難民の申請について、覚えておきたい4つのこと
- ①申請しただけでは認定されない審査で、難民か補完的保護対象者に当たるかが判断されます。
- ②日本にいられるか、働けるかは条件による申請したときの在留資格と、振り分けで変わります。
- ③生活の支えは制度ごとに違う国の保護費・健康保険・生活保護は、対象も審査も別です。
- ④結果でその後が変わる認定などで在留資格が決まり、認められなければ別の手続きに進みます。
詳しく調べる
決まり・数・出典を11の項目で
日本で難民の認定を申請すると、結果が出るまでの間、どんな立場で暮らすのでしょうか。働けるか、住民票や健康保険はあるか、税金は、家族は——を、
国の資料と法律からまとめました。申請や認定の人数は難民の認定と保護の数にあります。
対象:日本の決まり時点:2026年10月(このときに国の資料で確かめた内容)数:2025年の国の発表
ここに書いたのは、ふつうの取りあつかいです。一人ひとりの事情で変わることがあります。決まりはよく変わるので(2024年6月・2025年5月・2026年7月にも変わりました)、
いまの決まりは出入国在留管理庁などのページで確かめてください。
申請から結果まで、どう進む?
- 日本に入る
観光などの在留資格で入ってから申請する人が多くいます。2025年の申請者11,298人のうち、申請したときに在留資格があった人は10,600人(93.8%)で、
そのうち「短期滞在」(観光など)が7,506人でした。
- 申請する
住んでいる所を受け持つ地方の出入国在留管理局に、本人が行くのが原則です(16歳未満や病気のときは家族が代わりに出せます)。手数料はかかりません。
申請できる時期に決まりはありません。難民に当たるかと、補完的保護対象者に当たるかの両方を審査します。2025年は申請の9割以上(約92.45%)が東京出入国在留管理局でした。
- 振り分け(最長2か月)
申請書の中身で A〜D の4つに分けます。これで、手続き中に働けるか・日本にいられるかが決まります(②)。
- 一次審査
難民調査官(入国審査官の中から選ばれる)が、出身国の情報を集め、通訳を通して面接(インタビュー)をします。
難民であることを証明するのは、基本的に申請者本人です。国の目安の期間(標準処理期間)は6か月ですが、2025年の平均は約22.5か月でした(⑧)。
- 結果
認められた難民認定証明書が渡され、在留資格は原則「定住者」になります(
⑦)。
認められなかった
理由を書いた書面で知らされます。
- 審査請求(不服の申し立て)
通知を受けた日から7日以内に出します。難民審査参与員(法律や国際情勢にくわしい人。3人で1つの班)が審理し、
法務大臣はその意見を必ず聴いて決めます。2025年の平均は約13.4か月で、法務大臣が参与員の多数意見と違う判断をした例はありませんでした。
- 裁判
取り消しを求める裁判は、結果を知った日から6か月以内に起こせます(行政事件訴訟法の決まり)。
- 最終的に認められなかったとき
在留資格がなければ、出国するか、退去強制(国の決まりに反して日本にいる人を国外へ出させる手続き)の対象になります(⑦)。
出典:出入国在留管理庁「難民認定手続・補完的保護対象者認定手続」・出入国在留管理庁「難民等認定手続案内【第6版】」(2024年12月)・出入国在留管理庁「令和7年における難民認定者数等について」(2026年3月27日)・入管法(出入国管理及び難民認定法)・行政事件訴訟法
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生活費の支えはある?(国の保護費)
国は、生活にとても困っている申請者(審査請求中の人もふくむ)に、生活費・住居費・医療費を出しています(2004年の国の会議の決定にもとづく制度)。
仕事は公益財団法人アジア福祉教育財団 難民事業本部(RHQ)に任せています。担当は2025年度から出入国在留管理庁です(それまで難民の申請者の分は外務省)。
- 申し込むと、住まいもふくめた暮らしの状況を調べて、出すかどうかを総合的に判断します。自分で当面の住まいを用意できない人には、緊急の宿泊施設を用意します。
- 2023年度は、申し込んだ人が663人、受けた人が658人でした。出した額は約2億2,400万円(生活費 約1億4,600万円・住居費 約5,600万円・医療費 約2,200万円)です。
申し込んでから「始めてよい」という知らせまで平均約61日、受けていた期間は平均約13か月でした。
- 2024年度に、光熱水費に当たる分を住居費から生活費へ移しました(補完的保護の申請者の基準とそろえるため)。
- 2025年度の契約の額は、保護費が約4億100万円、緊急の宿泊施設が約5,000万円です(難民と補完的保護の申請者の合計)。
1日あたりの生活費や住居費の上限などの額は、国の資料では確かめられませんでした。
出典:政府の答弁書(2025年5月9日、内閣衆質二一七第一六二号)・政府の答弁書(2024年6月28日、内閣参質二一三第一八四号)・政府の答弁書(2024年5月17日、内閣参質二一三第一二五号)
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税金と保険料は?
税金は、国籍や在留資格ではなく、日本に住んでいるかと収入があるかで決まります。
- 所得税:日本に住所がある人、または1年以上続けて住んでいる人は「居住者」で、日本人と同じように計算します(国籍では決まりません)。
給料からは天引き(源泉徴収)され、居住者は年末調整があります。居住者でない人(非居住者)は、一律20.42%が天引きされます。
- 住民税:その年の1月1日に住所がある市区町村で、前の年の収入にかかります。住民票がなくても、その市区町村に住所があれば課税できるという決まりがあります(地方税法第294条第3項)。
住民票のない人に実際にどう課税しているかは、国の資料では確かめられませんでした。
- 消費税:買い物をすれば、立場に関係なくだれでも負担します(10%、食料品などは8%)。
- 国民健康保険料・国民年金保険料:入っている人が払います。入れない立場の人(仮放免・監理措置など)には、払う決まりがありません。
- 働けない立場の人:働くことが認められていないので、ふつうは給料にかかる税金は生じません。
外国人全体にかかわる最近の見直し
難民の申請者だけの話ではありませんが、在留の手続きと税金・保険料を結びつける見直しが進んでいます。
- 2026年6月:在留資格の変更・更新のガイドラインに、国民健康保険料などの高額・長期の未納で悪質なものは不利に扱うこと、関係機関からの情報をもとに判断することがあることを書き加えました。
- 2027年4月1日から:在留期間の更新などのときに、税金と社会保険料の納付状況の書類を出すことになります(「特定活動」「定住者」もふくみます)。
難民の申請者の「特定活動」の更新で実際にどう使うかは、国の資料では確かめられませんでした。
出典:国税庁 No.2875「居住者と非居住者の区分」・国税庁 外国人の源泉徴収のリーフレット・地方税法・国税庁 No.6101「消費税の基本的なしくみ」・国民健康保険法・国民年金法・出入国在留管理庁「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」(最終改正 2026年6月)・入管法施行規則
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出典と注意
出典と注意を開く
- このページの文は、国(出入国在留管理庁・法務省・厚生労働省・文部科学省・国税庁・内閣官房)の資料、法令(e-Gov 法令検索)、国会の会議録と政府の答弁書から、2026年10月にまとめました。
どこから取ったかは、それぞれの欄の下と年表に書いています。支援団体や報道の資料は使っていません。
- 数は、2025年の数の発表(出入国在留管理庁「令和7年における難民認定者数等について」(2026年3月27日))などからです。申請者数・認定者数などは難民の認定と保護の数と同じ表です。
- 国の資料では確かめられなかったこと:振り分けごとの在留期間がいまも2018年と同じか/在留期間3か月の人の住民票の実際の扱い/住民票のない人の国民年金と住民税の実際の扱い/
手続き中の「特定活動」・仮滞在・監理措置の人の生活保護/保護費の1日あたりの額/家族の一人が認定されたときのほかの家族の扱い/日本で生まれた子の在留資格/外国にいる家族を呼ぶときの在留資格/
認定された人の在留期間の年数。
- 国の資料どうしで書き方が違う所:申請から6か月で働けるようにした時期(2010年3月とする資料と4月とする資料)、仮滞在の条件の書き方(ページと法律で書き方が違う)、
難民旅行証明書の有効期間(法律は1年以上5年以内、案内は5年)。
- このページは決まりの説明です。一人ひとりの手続きの相談には使えません。
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